Topics特集 キウイのチカラ

生活習慣病予防の新常識!
キウイで栄養バランスを
整えよう

写真:林芙美先生

お話を伺いました

林芙美先生

女子栄養大学栄養学部准教授。1999年米国デラウェア大学健康科学学部卒業後、米国ティーチャーズカレッジ・コロンビア大学健康行動学研究科へ。01年に米国登録栄養士の資格を取得し、帰国後、08年に東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科医学博士号を取得。09年から女子栄養大学食生態研究室特別研修員、11年に千葉県立保健医療大学健康科学部栄養学科講師、15年に女子栄養大学栄養学部専任講師、17年から現職。

適量の果物摂取が生活習慣病のリスクを下げる!

がん、脳卒中、動脈硬化を含む循環器疾患、糖尿病、COPD(慢性閉塞性肺疾患)。こうした生活習慣病は、日本人の死亡者数のうち6割に関わっているとされ、健康を守る上での大きなリスクとなっています。
生活習慣病の発症や進行にはその名のとおり、食事・運動・休養・喫煙・飲酒などの生活習慣が関わっています。生活習慣が乱れれば病気のリスクが高まってしまいますが、その反対に生活習慣を見直すことによって、さまざまな病気の予防につながると考えられています。

食習慣については、2017年6月に公表された「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版」で新たに「果物の摂取を推奨する」ことが明記されました。その裏付けとなったのは、「果物を適量摂る人は、冠動脈疾患や脳卒中、2型糖尿病の発症リスクが低い」という研究の分析結果です。
また、別の研究から、キウイフルーツ、グレープフルーツ、ベリー類など糖質の少ない果物を普段の食事に追加することで、中性脂肪やコレステロール値が改善することもわかりました。こうした事実から、果物の摂取が動脈硬化性の病気の予防につながると考えられたのです。

しかし、日本人の果物摂取量はかなり少ないのが実情です。
実際にどのくらい日本人が果物を摂取しているのかというと、1人1日あたり107.6g。果物不足は若い世代ほど深刻で、20〜40代の半数以上が、果物をほとんど摂っていないこともわかっています(厚生労働省「国民健康・栄養調査(平成27年)」より)。
厚生労働省と農林水産省がつくる「食事バランスガイド」では、1日2つ分(およそ200gに相当)の果物を摂ることが推奨されています。摂るべき量の半分程度しか摂れていないのです。

キウイフルーツ1個分が不足しています。

生活習慣病予防に役立つ果物。毎日摂りたい栄養がつまったキウイ

果物を食べると生活習慣病の予防につながる様々な研究が発表されている中で、その要因の1つについて、栄養学の専門家である林芙美先生は、
「食生活全般が良好である可能性もありますが、砂糖や油脂が多いお菓子の代わりに果物を適量摂ることによって、エネルギーの摂取が抑えられたことが関係するのでは」と話します。
また、果物に含まれる栄養素や機能性成分も、生活習慣病の予防に役立っている可能性があります。
「果物に含まれるカロテノイドやビタミンCやビタミンEなどの抗酸化作用のある成分が動脈硬化を防いだり、水溶性食物繊維が血糖や血中コレステロールの上昇を抑制させたりすることも、心血管疾患の予防によい影響を与えていると考えられます。高血圧の原因のひとつはナトリウムですが、果物に含まれるカリウムには、ナトリウムの排泄を促す働きがあります」

こうした栄養素が豊富な果物の1つが、キウイフルーツです。サンゴールドキウイには1個あたりビタミンCが161mg、ビタミンEが1.4mgも含まれています。また、グリーンキウイには可食部100gあたり食物繊維3gを含むほか、カリウムの含有量は可食部100gあたり約301mgと果物の中でもトップクラスです。

ゴールドキウイは、ビタミンCがレモン8個分以上*(161mg)、ビタミンEがリンゴ7個分*(1.4mg)
グリーンキウイは、食物繊維がバナナ3本分*、カリウムがオレンジ2個分*

キウイフルーツにはほかにも、生活習慣病の予防に役立つポイントがあります。

調理不要。味付けなしで食べられる

野菜にも果物と同じように生活習慣病予防の効果がありますが、野菜を食べるときは加熱したり、調味料がつきもののため、どうしても塩分摂取量も増えがちに。その点果物は、調理せずに生で丸ごと食べられるので、必要な栄養だけを効率よく摂取することができます。

多くの栄養をまとめて摂れる

キウイフルーツなど一般的な食品には多彩な栄養が含まれているため、1つ食べると多くの栄養素を摂取できます。また相乗効果も期待できます。それに比べてサプリメントに含まれる栄養素は限られているので、必要な栄養量をまかなうためには複数のサプリが必要になってしまいます。

噛んで食べるので食べ過ぎ防止に

ジュースやサプリメントはのみこむだけですが、生の果物は噛んで食べるため、満足感が得られて食べ過ぎ防止につながります。

おやつやジュースの代わりにキウイを

さまざまな果物の中でも、栄養価が高いキウイフルーツ。生活習慣病を予防するために、どのように取り入れるとよいのでしょうか。林先生に聞きました。
「まずは、お菓子や甘い飲み物の代わりにキウイフルーツを取り入れてみるのがいいかもしれません。そうすることで摂取エネルギーが抑えられますし、ビタミンや食物繊維などの栄養が摂れます。キウイフルーツは保存性が高く、一度に1個食べきれるサイズなので、一人暮らしの人や高齢者でも取り入れやすい点もメリットです」

キウイフルーツは皮をむくなどの手間をかけなくても、半分に切るだけで手軽に食べられる。昔、こたつの真ん中にみかんが置いてあったように、すぐに手が届くところにキウイフルーツを置き、いつでも食べられる環境に。そうすることで無理なく1日200gの果物を摂れるようになり、健康的な生活習慣が身につくかもしれません。

*レモンは1個分約100gのうち、果汁に含まれるビタミンCの量を算出して表示しています。その他、りんご、バナナ、オレンジ(バレンシアオレンジ)は、可食部100gに含まれる栄養素の量を比較しています。キウイの栄養素はゼスプリインターナショナル調べ、その他の果物は、日本食品成分表2015(七訂)を元に算出。


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